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思わぬ再会から、一ヶ月が過ぎていた。
俺とレンヤは、すぐに意気投合。それから仲良く学園生活を送っています……、なんて都合のいい話にはならなかった。
「あれ? ガイは欠席?」
「あぁ、たぶん遅刻だろ」
「あれ? ガイは遅刻?」
「いや、たぶんサボりだろ」
「あれ? ガイはサボり?」
「いや、たぶんフケたんだろ」
こんな風に、お世辞にも素行が良いとは言えない俺に幻滅したのか、積極的に話しかけてくることも辞めてしまったレンヤだ。
俺の、俺たちの国は、大国に挟まれた小さな貧しい国だ。
主な輸出品目は、傭兵。
北の国か南の国か、どちらの国へ雇われるかなんか解かりやしない。同じ師匠の元で鍛えた武人が、敵同士になって戦場で会う、なんてざらだ。
そんな傭兵を育てる学校に俺は進学し、日々人殺しの方法を学んでる。
くすんだ毎日に光が射した、と思ったんだぜ、俺も。初めは。
だけどレンヤのやつ、息苦しいほどの真面目ちゃんでやんの!
「ガイ、一緒にランニングしよう」
「かったりいよ」
「ガイ、図書室に行きたいんだけど」
「俺も知らねえ」
「ガイ、サボりはよくないと思うんだ」
「うるせえなぁ」
こんな風に、俺とは合わないライフスタイルに嫌気がさして、積極的に話しかけることも辞めてしまった。
赤いピアスは、いつの間にか外していた。
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