「なにか光ってる」

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「今日は冷えるな」 「そうですね」 「聖、みかん取って」 俺は今、同居人2人とこたつに入っていた。 本来は1人+猫1匹の暮らしのはずが、ある日突然偶然なのか必然なのかは知らないけど、普段はウサギのように見えるコハクと、オオサンショウウオのように見えるチトセさんが俺の前に現れて、一緒に暮らすことになった。 本来なら意味がよく分からないのでお引き取り願うところなのだが、2人は俺のことをよく知っているみたいだったし、俺は子どもの頃からそういう不思議な出来事を拒絶しないように育ってしまっていたのだ。 しかもこの2人は意外と俺との暮らしに順応してくれていて、それぞれ分担して家のことをこなしてくれているので、実際のところこの広い家での暮らしを維持するうえでとても助かっていた。 「チトセさんも食べる?」 「あ、ありがとう」 「んー、甘い」 俺らは、コハクがいつの間にか仲良くなっていた青果店のおばさんおすすめのみかんをこたつに入って味わっていた。
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