捨てられた人

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 欽二はみつばに許可を得て 慶二と外に出た。 「どこへ行くのかな?」 「いや、俺もよく分からないんだけど、海」 「海? じゃあ少し離れてるから車で行こうか」 二人は施設の軽自動車に乗った。 「どこでもいいんだね、海なら」  黙って頷く慶二。 欽二は都心から離れ、海岸の綺麗な横浜へ走らせた。 鎌倉にほど近い海岸で車を降りた。  海を見ながら砂浜を歩き、 腰を下ろしたまま長い時間見詰めていた。 「おれは・・・一人ぼっちになってしまったんだろうな」  慶二がポツリと呟いた。
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