33人が本棚に入れています
本棚に追加
「お、おれの街・・・ 俺の家が・・・」
呆然と炎に包まれた陸地を眺めていた。
慌てて岸に戻ろうとしたが危険が多過ぎた。
船に乗って海にいたからこそ
慶二は死をまぬがれたのだ。
しかし、
家が、妻と子供達は・・・
怒りと悲しみの唸り声を上げたその時、
慶二の背後から大津波が襲った。
船は波に巻き込まれ慶二は海に沈んだ。
「なんの装備も無かったけど、救命胴衣だけは身に付けていたんだ」
懸命に泳ぎ、赤い炎の見える岸に泳ぎ着こうとした。
何か漂流物が手に当たりしがみ付いてよじ登った。
その後力尽きた慶二は
漂流物に乗ったまま気を失った。
最初のコメントを投稿しよう!