捨てられた人

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慶二が意識を取り戻したのは 漂流物と一緒に海岸へ流れ着いて数時間後だった。  あまりにも大きなショックで記憶が飛んでいた。 自分が誰かも判らない、この場所も・・・  慶二は途方に暮れた。 「それから俺は何かを探し出そうと そこら中をさまよい歩いたんだ・・」  食べ物は無く、自然と人のたむろしている所へ行った。 「浮浪者の溜まり場だよ、 でもそこで話相手が出来、生き方を教わった」  記憶の無い慶二にとっては 仲間がいる事だけでも心強かったのだろう。  ある日、  浮浪者の溜まり場に数人の男がやって来た。 「部屋を紹介してやるから来いって言うんだ、 で、数人の仲間と付いて行った」
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