3話 恋愛初心者

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めちゃくちゃな選曲したけど、歌うの楽しかった! カラオケって、楽しい!スッキリ!! 「雅文も歌って!」 「あ、あー……、俺はいい。うん。…聞き役でいい」 「なんか、怪しい!…これなら歌えるよね!」 って、雅文のドラマの主題歌入れてやった。 イヤイヤそうに歌う雅文、まさかまさかの音痴だった! もう爆笑した! 「だから嫌だったんだ!」 「私しか聞いてないからいいじゃん。次これー!」 また雅文のドラマ曲入れてやった。 「うわあ!マジで……」 「はい!はい!」 「ヤケクソーーっ!!」 またまた大爆笑した!お腹痛い!雅文、可愛い! カラオケ出たら、もう外は真っ暗で夜だった。 「もう1日終わるの?……なんか、早い……」 「思いきり楽しんだからだろ。『楽しい時間は早く終わる』って言うだろ?」 「うん!めちゃくちゃ楽しかった!何もかもが初めてで、本当に楽しかった!」 「明日香、普通の『楽しい』した?」 「もうね、もうね、大満足だよ!オシャレもだし、カラオケも!」 「良かった……俺にできる限りの事したつもり。明日香が喜んでくれたのがマジで嬉しいわ」 ………私の為に全部してくれたね。 雅文、ありがとう。 本当に私は雅文怒ってない。 安心してたから楽しめたんだと思った。 私って、雅文だと安心するんだ。 やっと自分の気持ちがわかった気がする。 その場限りの人なんか、信用してないからいつもどこかで線引きしてたね。 それ、クセみたいになってたんだ。 だから雅文はそれに気づいて、『一緒に住もう』って言ったんだ。 私の線引きを取りたかったんだね。 「雅文、私のこと、好きなの?」 「………言ったよな?」 「どこがいいの?」 「最初は好みって感じ。だんだんと一緒にいる内に、俺だけの女でいて欲しいって思うようになった。……だけど、明日香は俺しかいないのわかってたけど、あと一歩でいつも逃げて行きそうな感じがあった。……こんなにいつも一緒にいるのになんでだろうって、なんか俺が不安になって、『一緒に住もう』って言ったんだ。でも答えは『ノー』で、また不安になった。……男居るなんて思ってなかったよ。ただ、何がそんな明日香を不安にさせてるんだって知りたかったんだ。………無神経だったな。マジでごめんな」
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