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学園編1
あの時から何日経過したのかもう分からない。
どれだけの時間が過ぎたのかを考える余裕はなかった。
そこら中ゴーレムであふれていてもう安全な場所はほとんど残っていない。
さびれた町の片隅で俺は二人の親友だった者に呼びかける。
「なあ、どうしてこうなったんだ?」
二人は黙り込んでいる。
「俺達三人で色んな問題を乗り越えて来ただろ?また三人でやり直せば・・・・。」
風になびく長い髪をかき分けながら中性的な顔立ちの男性が悲しげに答える。
「それはもう無理だ・・・・。お互いに引くことが出来ないだろ?」
長身でガタイのいい男性が決意をもって答える。
「ああ、俺達の後ろにはそれぞれ守らなければならない者がいる。」
二人は背を向け去っていく。
これから起きるのは生き残りをかけた殺し合いだ。
人が人を殺す馬鹿げた話。
何度やってもここにたどり着く。
俺にできることは何もないのか?
なんでなんだ?
どうしてなんだよ?
俺は二人に思い出してほしかった。
一瞬でもいいあの時を・・・・。
X年4月10日 11時 講義室
規則正しく並べられた机に学生達が座っている。
教授は専門分野を熱く語り、学生たちは静かに講義を聞いていた。
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