学園編1

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辺りを見渡し、ゴウとトウヤが座っている席を見つける。 テレビの前の特等席が空いていたようだ。 味噌汁がこぼれない様にそっと座る。 テレビ「人工知能の発展や技術進歩により、~~海溝から未知の赤く輝く物質を発見。」 ゴウがつまらないと感じたのか適当にリモコンのボタンを押す。 テレビ「今、核シェルターが流行っています。」 さらにチャンネルを変えバラエティーに切り替わるとリモコンを置く。 トウヤがニュースに戻そうとリモコンを取ろうとしているがゴウがそれを阻む。 そんな事は俺としてはどうでもいい。 ヒカル「頂きます。」 手を軽く合わせるとから揚げを一つ、つまみ口に運ぶ。 ほとばしる肉汁とカリッとした衣そして柔らかな食感で自然と笑みが出る。 まだ噛み終えていない口にご飯を放り込みご飯が上質の肉汁をとらえ旨さが跳ね上がる。 味噌汁には豆腐とお揚げが程よく浮かんでおり、口に含むと口の中の脂っこさを取り除いてくれる。まさに何個でもいけるから揚げだ。 ・・・・。 しばらくして食事が終わるとさっきまでチャンネルの取り合っていた二人が談笑している。 俺もそれに混ざる。 こんな生活がずっと続けばいいと思っていた。 社会に出てもこんな風に笑える時は来るのだろうか? また卑屈な考えが浮かんでくる。     
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