学園編1

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その考えが無くなるぐらい大きな声で下級生が騒いでいた。 「正門で警備員が襲われたらしい。」 「まじで、こえ~、いつ?」 「今、警備員が不審者を必死で止めてらしいけど、首に噛みつかれたみたい。」 「嘘だ~。」 「ホントだって。」 「不審者が学校に入って来たって言ってたよ。」 そんな内容だった。 その会話に食いついたのはゴウだった。 不審者を捕まえに行こうと息巻くゴウ。 トウヤは全く興味を示さず、部室に向かうという。 信じがたいが本当なら危ないな。 目を閉じ考える。 俺が取るべき行動は? ① 正門に向かう ② 部室に向かう ③ 家に帰る 俺はどうすべきか? 正門に向かうべきじゃない。 なぜだか分からないが悪寒を感じる。 部室に向かう 一番無難な気もするが・・・・ 家に帰る これもなぜだか分からないが悪寒を感じる。 しかし、決めかねているとゴウは一人でも正門に向かうと言い出した。 危険なので俺も同行する事にする。 トウヤ興味なさげに食堂を出て部室に向かった。 正門付近の広場に空手部からラグビー部の屈強な男たちがざっと10人ぐらいは集まっていた。 卒業を控えた学生たちが不審者を取り押さえたという武勇伝を作るために血気盛んになっている。 中でも取り分け気合が入っているのは空手部部長だった。     
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