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正門横の警備員待機室に着くと警備員が首元から血を流して倒れている。
野球帽の男が右肩を担ぎゴウが左肩を担いだ。
野球帽の男は使い込まれた金属バットを俺に差し出す。
野球帽の男「高校時代の相棒なんだ。もしもの時は頼む。」
俺は金属バットを無言で受け取った。
俺が先頭で二人が警備員を担ぎながら追従し辺りを警戒しながらゆっくりと進む。
保健室まであと少しという所で警備員がじたばたと動き始め首元から赤く鈍く光る石のようなものが浮き出してきた。
野球帽の男「よかった。意識が戻ったんですね。大丈夫ですか?」
警備員は虚ろな目を見開き野球帽の男を視界にとらえるとゴウを払いのけ野球帽の男にしがみつき首元を噛みついた。
引き剥がそうと全力で抵抗しているがびくともしていない。
野球帽の男の出血量はさほどないが警備員の口からぽたぽたと血がこぼれ落ちていた。
俺は一体何が起きたのか理解できず呆然としているとゴウは警備員を羽交い締めする様に引きはがそうとするがそれでも動く事はなかった。
ゴウ「ヒカルも手伝ってくれ!早く!!」
その声でようやく体が動き、引っ張るのに協力するが効果は全くない。
しばらく、噛みつかれていると野球帽の男が上下にぴくぴく小刻みに全身を震わし奇声を上げると動かなくなった。
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