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ゴウの声に振り向くと倒れていたはずの女性が抱き着こうとしていた。
背後からがっしりと抱き着かれると首元に痛みが駆け巡る。
脳がとろけるような感覚そして痛み。
首元の痛みもあるがもっと別の痛み。
必死でこらえるがこらえられる痛みではない。
ゴウが遠くで何か言っている様に聞こえるが感覚が徐々に失われていく。
それに伴って痛みも自然と無くなり、楽になっていくのを感じる。
薄れゆく意識の中、わずかに光を感じると俺の意識は完全になくなった。
??月??日?時 ???
???「よく来たね。ヒカルちゃん。元気にしてた?」
俺が最も尊敬する人、じいちゃんの声が聞こえたような気がする。
じいちゃんが向かいに来たってことはどうやら死んだみたいだな。
意外と死んだことを冷静に受け入れられるものだ。
死後の世界はホントにあるんだなって感心しながらうっすらと目を開けてみる。
あまり大きな間取りではないがきれいに整頓され、小さな机と大量の本。そして目の前にはいつもの椅子に座っているじいちゃんがいた。
ここはじいちゃんの家の書斎と似ている気がする。
ヒカル「じいちゃん。久しぶり。」
笑顔で声をかける。
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