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何を求めているのかがわかっている久遠は、溜息を吐きつつ上着のパーカーを備え付けのクローゼットにかけると、九尾の居るベッドに入った。
「ん、落ち着く」
「さいですか」
「おやすみ、久遠」
「……おう、おやすみ」
抱き枕。
世間一般ではそう言われる体勢、少女は一切の行動の澱み無く久遠を抱き寄せ、そして瞼を落とした。
胸元から聞こえる寝息、容易に覆える小柄な体躯が密着した場所から伝わる。
しかし、久遠もまたうつらうつらと意識が微睡んで、温もりを胸部に感じつつ眠りについた。
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