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やがて馬車はユウフラムという宿町の宿のひとつ、ランプ亭に着き、少し遅れてルークたちがすっきりした表情で現れた。
「ああ、いい汗をかいた!」
ジエナが言い、ほかの者たちも笑顔だ。
カティムは羨ましがったが、今日見たことも得難く思っていた。
ランプ亭では離れにて、湯の準備がすでにできていて、エリィの侍女ポーラや護衛たち、従者たちも交代で湯に浸かった。
初めての体験だったカティムやユーイはもとより、ほかの面々もその効果に改めて感じ入った。
彩石湯は彩石の成分を混ぜ込んだ湯で、ひとの体内の異能を正常に戻すのだ。
すっかりいい気分になって王城に戻り、貴賓用談話室で寛ぐと、明日は何をする、と話した。
「朝のうちにザクォーネ国王サラナザリエ・クイネ・レスフィール様が到着されます。ともにサルーナ・リーというところに行って、寛いできましょう」
そこへ扉が叩かれ、セルズ王国御一行様をご案内しました、と侍従長が扉を開けて言った。
扉を大きく開くと、東セルズの王クオラ・ティメール、西セルズの王セムネスティ・パラム、セルズ王国中央政府の危機管理庁長官ハルノア・デスリ、同じくセルズ王国中央政府の王宮外務調整庁長官ウルトイ・ガストールを通した。
全員初対面なので順に紹介し、夕食の時間にはカティムがこの日の感動を話した。
食事が終わると、一同は酒も楽しめる酒宴遊戯室へと移動し、酒を傾けながら遊戯と会話を楽しんで過ごし、少し遅くに部屋に戻った。
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