アルシュファイド王国

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アルシュファイド王国

アルシュファイド王国は大陸のほぼ中央に位置し、強大な結界のなかで豊かな暮らしを存続していた。 この王国には双王と呼ばれる2人の王がいる。 1人は政王アークシエラ・ローグ・レグナ…アーク。 もう1人は祭王ルシェルト・クィン・レグナ…ルーク。 アークは政治にその腕を振るい、ルークは民を守るためにその腕を振るう。 ルークの現在の役目のひとつは、王国全土を覆う絶縁結界を維持すること。 もうひとつは、個人の異能から人々を守ること。 異能とは、大陸に住むすべての人が持つ、土、風、水、火の4種の力のことで、その配分は人によって違うため、そう呼ばれる。 その異能の使用法をひとつにまとめて治める、異能統制事業がルークの手により始まった。 それにはまず、拠点を作ること。 拠点の建設には、サールーン王国、ボルファルカルトル国、ザクォーネ王国から手を借りていて、異能統制事業の立ち上げにはカザフィス王国の手を借りている。 それらは必ずしも必要ではなかったが、アークの推し進める数々の事業に関わりのある国々と、対等な付き合いをしていく上で重要な役割を果たすことになった。 ルークはアークのために動き、アークはルークのためにこれを許した。 その形が今、現れようとしていた。
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