9人が本棚に入れています
本棚に追加
「おれは客車寄せが見たいんだ。エリィは芝居が見たいと言ってる。芝居の時間に合わせて両方行きたいんだが」
「時間を調べさせます。シィン」
「すぐに」
それから一同は食事を終え、談話室で寛ぎながら、レグノリア区の観光情報誌を見た。
そのうちシィンが芝居の時間を調べてきて、14時からだと判った。
「9時から王城前客車寄せに行って、公共事業をいくつかご覧に入れましょうか。それとも美術館などに行かれますか」
シィンが言うと、ジエナはやや身を乗り出して言った。
「伝達の仕組みを見たい。トールの話では、客車寄せと連携?しているとか」
トールとは、カザフィス王国第二王子トール・マイエ・フォンスシエッサ・ルーテイン・カザフ、ジエナのすぐ下の弟のことだ。
「運ぶときのことでしょうか。とにかく行ってご覧になるといいでしょう。スー、頼む」
シィンの言葉に、控えていたスーが応え、翌日の予定が決まった。
一同はそれから、観光情報誌のなかで紹介してある施設に興味を示し、滞在期間中に行けるかどうかなど話し合い、時間になると部屋に戻った。
最初のコメントを投稿しよう!