クリスマスイブの鈴の音

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大学に入学してからも、アルバイトは続けていた。 大学では、経法学部に在籍して主に経済学を学んでいた。 母はこれまで以上に仕事をして、家計を支えていた。 大学の学費は、国立大学とはいえ我が家の経済的には負担が大きかったに違いない。 でも母は私を心配させまいと、金銭的に大変だということを口に出すことはなかった。 私は、大学で出会った『朝倉 亮太』という同じ年齢の男性との交際が始まっていた。 私は亮太に、家庭の事情のことを正直に話していた。 亮太は、私の経済的な事情を察して色々な面で私を助けてくれた。 私はいつしか、亮太のことを信頼できる人だと感じていて、将来結婚することになるかもと漠然と考えていた。 大学で出会った先生方や友達にも恵まれて、学業とアルバイトを両立させて忙しい毎日ではあったけれど、充実した大学生活を送ることができた。 私は、留年することもなく4年間で無事卒業することができた。
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