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大学を卒業した私は、実家のある松本に帰って大手精密機械工業に入社した。
新入社員の頃は収入はさほど多くはなかったけれど、基本給は年々少しずつ増えていって何とか家計を支えることができるようになってきた。
25歳になった私は、大学時代から交際している亮太からプロポーズを受けて婚約した。
さっそくお互いの両親と会って、結婚の承諾を得ることができた。
涼太は私の母に会うと、だいぶ緊張したようだったけれど、
「美優さんを幸せにします。
美優さんとの結婚をお許しください。」
とまっすぐな気持ちを母に伝えてくれた。
そんな涼太を見て母は安心したようで、
「涼太さんならきっと美優を幸せにしてくれると思います。
美優のことをよろしくお願いします。」
と涼太に深々とお辞儀をしてくれた。
そんな母を見て私は思わず、
「おかあさん、ありがとう!」
とお礼の言葉をかけた。
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