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◆ seek.00 千鳥と時雨 ◆
イタリアの首都であり、政治、経済、文化の中心地、ローマ。ローマ教皇の居住するバチカン市国があり、全世界のカトリック教徒の中心地であるはずの地は現在、魔物の巣窟と化していた。
悪魔憑きと呼ばれる現象はもちろん、魔物が人の姿で民衆に紛れ込み始めたのはこの地に限った話ではない。だが、祓魔師(エクソシスト)という言葉の通り、悪魔祓いが存在するカトリック教に対して宣戦布告でもするかのように、世界中でみてもローマの被害は著しく深刻だった。
そして何よりも祓魔師たちを困惑させたのは、儀礼を施した銃弾や聖水をものともしない魔物の存在である。現在ではもはや打つ手もなく、人々はどこに紛れ込んでいるとも知れない魔物と共存せざるを得ない世界と化していた。
そんな街に東洋人の千鳥と時雨、それに篭目が移住してきたのは数か月前の事である。
自らをシークと名乗る彼らは、もちろんエクソシストではない。
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