第二話 マシュマロの報復

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 それが何故か、有栖川がメッセージを読む前に、五所川原の手に渡ってしまったのだ。有栖川がホワイトデーのお返しで五所川原の事を思い出し、誰か人の名前を聞き出そうとしていたのはつまりそういう事だ。  そして、五所川原は僕のいじましい想いを踏みにじり、有栖川を装い僕の下駄箱にマシュマロを入れ欺いた。教師としてあるまじき行為ではないか。 「……あの野郎」 「えっ? 月城くん何か言った?」 「ううん、なんでもないよ。そうだ、有栖川くん。五所川原先生に会ったら伝言を伝えておいてくれないかな」 「うん、いいよ。なんて言えばいい?」 「『いずれマシュマロのお礼に伺います』」 「え、このマシュマロ五所川原先生からだったんだ。なぁんだ、エコヒイキは僕だけじゃなかったんだね」 「そうみたいだね」  嬉しそうにぴょこぴょこ飛び跳ねる有栖川に笑顔で応えつつ、僕の中で暗い炎が燃え上がる。  ――おぼえてろよ、五所川原。いずれ、たっぷりお礼してやるからな。 第二話 おしまい。
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