第一話 やきもちチョコレート

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 その後、休み時間ごとに日下と土居の二人は女子に廊下に呼び出されてチョコをもらっているようだった。女子はつくづく見る目がない。ちょっとカッコイイからって性格俺様なあんな二人にぽーっとなってチョコを渡すなんて。 「あとで真尋にもおすそ分けしてやるからな」  僕がモテないからって明らかに馬鹿にしている。そんな意地悪な言葉にも、僕は何も言わずににこにこと笑って見せた。僕の態度に満足したのか二人は順番に僕の頭をぐりぐりと撫でまわした。普段なら激しく抵抗するところだけど、今日は大人しくされるがままになってやった。今の僕は心が広いのだ。  なんたって、僕にもチョコがある!
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