57人が本棚に入れています
本棚に追加
ボディーを赤く染めて鎮座するストラムだった。
息を飲み、目で上空を指し示す。
だがナビは平然と話を続けた。
【大丈夫見えている。君の目を通してね】
大胆なのか壊れているのか、
全く焦りが感じられない。
【心配ないシステムを改竄して乗っ取っている。
今は僕のコントロール化にあるから大丈夫だ】
ナビは信じられない事をあっさり言ってのけた。
意外に優秀なのか?
心の中で一瞬ポンコツと思った事を詫びる。
「でっこれからどうする?」
「ストラムを自爆させて、
パイプラインに穴を空ける」
あっさりと自爆テロを言ってのけるナビ。
こちの世界じゃテロは日常会話なのだろうか?
それとも同族嫌悪ってやつか?
機械同士の間に、
同族観念があるかどうかは定かではないが。
「心配しなくてもただの機械だ。
気に病む必要はない」
そう言い終わると同時にストラムが、
パイプライン目指して出ていった。
「扉から離れるんだ!爆風がくるぞ」
ナビの忠告を素直に受け取り身を隠す。
暫くして激しい轟音と爆風が辺りを覆った。
辺りは一面、煙に覆われ視界が効かない。
ゴッーと言う何かを吸い出す様な音だけが、
耳鳴りの奥で響いていた。
―14―
最初のコメントを投稿しよう!