世界の信実

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    ボディーを赤く()めて鎮座(ちんざ)するストラムだった。 息を飲み、目で上空を()し示す。 だがナビは平然と話を続けた。 【大丈夫見えている。君の目を通してね】 大胆なのか壊れているのか、 (まった)(あせ)りが感じられない。 【心配ないシステムを改竄(かいざん)して乗っ取っている。 今は僕のコントロール化にあるから大丈夫だ】 ナビは信じられない事をあっさり言ってのけた。 意外に優秀なのか? 心の中で一瞬ポンコツと思った事を()びる。 「でっこれからどうする?」 「ストラムを自爆させて、 パイプラインに穴を空ける」 あっさりと自爆テロを言ってのけるナビ。 こちの世界じゃテロは日常会話なのだろうか? それとも同族嫌悪(どうぞくけんお)ってやつか? 機械同士の間に、 同族観念(かんねん)があるかどうかは(さだ)かではないが。 「心配しなくてもただの機械だ。  気に()む必要はない」 そう言い終わると同時にストラムが、 パイプライン目指(めざ)して出ていった。 「扉から離れるんだ!爆風がくるぞ」 ナビの忠告を素直に受け取り身を隠す。 (しばら)くして激しい轟音(ごうおん)と爆風が辺りを(おお)った。 辺りは一面、煙に(おお)われ視界が効かない。 ゴッーと言う何かを吸い出す様な音だけが、 耳鳴りの奥で響いていた。          ―14―
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