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 つい最近まで、ぼくは空が青い理由を海の色がうつっているからなんだと真剣に信じていた。  はじめにぼくにそう教えてくれたのが誰だったのか、あるいは何かの本だったのかは忘れてしまったけど、海の色が空にうつっているという考えは、なんだかとてもしっくりしたし、ワクワクした。  海が青く、空が青く、地球が青い。晴れた日に空を見あげて、広く青い海をおもう。雲のおふねをうかばせて、いってみたいな、よその国、なんてね。  だから、三つ年のはなれた姉ちゃんに「あんた、中学生にもなってそんなこと信じてるの?」とバカにされたあげく、何やらこむずかしそうな物理の教科書を片手に「大気中のちりに、光の中でも波長の短い色は散乱してしまうわけ」と、得意げに説明されたとき、すごく頭にきて、和室のタンスの一番上にかくしてあった領収書をつきつけ「姉ちゃんがもらったクリスマスのプレゼントは、父さんが買ったものなんだ」とサンタクロースの正体が父さんであることをつげた。     
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