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ぼくと姉ちゃんの冷戦状態は、とうとつにおわりをつげた。といっても平和的解決ではなく、どちらかというと張りつめていたものが、プッツン切れた感じだった。
先に口火をきったのは姉ちゃんだ。
「ちょっと、食事中にイライラするのやめてくれない?」
やく一カ月ぶりにきいた口で、そうインネンをつけられた。
駐輪場での出来事が、ずっと頭にチラついていた。うつむき、見つめ、抱き合うふたり……が、こわれたDVDプレイヤーみたいに何べんも頭の中でくり返す。それだけじゃない。家にかえってくると否応なしに「カテイのジジョウ」というやつもおもいかえさなければいけない。玉手ばこのもやもやは、いっそうけむたくなる。
ぼくの分のマーボ豆腐は、ほとんどハシがすすんでいないのに、いとこのカズオ(二才と一カ月)のよだれかけよりひどい惨状だった。マーボ豆腐というよりは、赤い色をしたスクランブルエッグ状態。作ったのは姉ちゃんだ。
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