第3章 パーティー

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私は足を引きずりながら、窓の方に向かった。 さすがスイートルーム。 見晴らしがいい。 「はぁ……」 窓の近くの椅子に座って、窓の外を見た。 そしてある事に気が付いた。 私の姿が窓に映っているのだ。 途端に顔がカーッと赤くなる。 もしかして、車に乗っていた時も、本田さんは外を眺めていたけれど、窓に映っていた私の事を見ていた? そんな事を思うと、体まで熱くなる。 本田さんが、手を握ってくれた事、思い出した。 どんな思いで、握ってくれたのか。 胸がドキドキして、手を口元に当てた。 ああ、本田さん。 できれば、こんな形で出会いたくなかった。 もっと自然な形で、恋人として出会えたのならよかったのに。
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