第3章 パーティー

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「ほ、本田さん。」 「静かに。動かないで。」 そう言って本田さんは、私の足を摩ってくれた。 「すまない。あの人は、前に愛人契約を結んでいた人で……」 「……本人から聞きました。」 「そうだったか。何か言ってたか?」 「……何も。」 そう答えると本田さんは、摩る手を止めた。 「何も言ってなかった相手が、君にこんな事をする訳ないだろう。」 「いえ……」 彼女だけが悪いんじゃない。 私だって、彼女を煽るような事を言った。 お互い様なのだ。 「言ってくれ。彼女が君に何を言ったのか。」 私は、正直に言えなかった。 「言えば、私の醜いところも、曝す事になります。」
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