成神 弐

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天界に来たというのが嘘のように、俺と麻彦は騒がしかった。 クロノがそれを見て、ぼそっと呟いた。 「いいな、郁彦たちは仲良しで」 会話を終えた俺は、慣れた手つきで『会話終了』のボタンを押す。 「?お前だってトキワと仲がいいんだろ?」 「仲ね…。まぁ、悪くないんじゃない?」 嫌な答え方だと思った。 「まぁ、」とか「じゃない?」とか。 言いきれないのが、ちょっと前の俺と被る。 きっと仲は良くない。けど喧嘩している訳でも、憎みあっているわけでもないが為に、悪いとは言えない。 嫌いじゃない。 でも好き同士という訳でもない。そんな感じだ。 クロノは歪な顔をする俺に、不服そうに目をやった。
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