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成神 弐
目を開いて、俺の双眼に映った景色は、元居たあの景色と何ら変わりはなかった。
古めかしい家が建ち並んでいる。
ただそこは俺が思っていたよりもずっと暗くて、思っていたよりもずっと、ふわふわしていなかっただけだ。
天界。
と、いう名前の星らしい。
シキオリから聞いた。
クロノ曰く、シキオリがここに居る可能性は高いらしい。
「なあ、クロノ。シキオリが天界に帰ったってことは、下界の季節は流れ始めたっつーことで良いんだよな?」
「はっ馬鹿じゃないの郁彦、まだ寝ぼけてんじゃないの?やっぱ人間だから天界の高貴な空気がお体に合わないのかな、あーあ」
「待て、そんなに言われる覚えはないぞ…。俺はそこまでお前に酷いことをしたのか!?俺はそんなに嫌われてたのか!?」
「…嫌いだよ。郁彦の前世から」
――マジか。何したんだ前世の俺。
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