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そして荒神になったんだよ――と、丸い大きな目を伏せて言った。
殺させた。実の父親を。
「荒神…って、聞いたことあるぜ。それ」
「そう、良かったよ。郁彦が思ってたより馬鹿じゃなくて…説明すんのなんか嫌だし、面倒くさいし、だるいし、嫌だし」
「嫌だしって二回言った!!ねえそんな嫌い!?俺のことそんな嫌い!?」
「だいっきらい」
「……」
泣きたい……帰りたいよう。
麻彦ーっ、会いたいよーっ。
…来て即ホームシックとは――クズ過ぎるだろ、俺。
しかし麻彦なあ、あいつびっくりしちゃってねぇかな?
――と、思ってポケットの携帯を握り締めた瞬間。
PPPP、PPPP、PPPP、PPPP
限りなくアラーム音に近い着信音が、俺の鼓膜を揺らした。
俺がびっくりしちゃったよ。
何に?っておいおい、わかるだろ?
そして俺は電話に出た――叫びながら。
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