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「う、っわ!!」
あまりに夢中になりすぎた私は雪で滑った。でも、体に大きな衝撃がない。むしろ柔らかい?
「仕事熱心はいいけど危ないぞ」
「く・・・黒須会長!」
転倒するはずの私を黒須会長が抱きしめるようかばってくれてた。
それで衝撃はなく柔らかいと思ったんだ。
そうじゃなくて早くどかないと・・・!
「きゃあ!」
「だから、危ないって言ってるだろ。川瀬は普段はしっかりしてるのにどうした?」
どうしたもなにも・・・生きててこんな風とはいえ抱きしめられるようなこと、未経験だし。
早く1人で立ちたいのに真っ白い雪がそれを邪魔する。もう、雪なんて嫌いになりそう。
「はい、慌てずに立ちましょう。右手は持っててやるから」
「すみません・・」
右手をしっかり持ってくれているおかげで今度こそ1人で立つことができた。
今、絶対に体中の熱が顔に集中している。
恥ずかしいのもあるし、ドキドキしている自分にどうすればいいのか分からないくらい。
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