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授業が始まるまでさっき撮った写真を見ていく。
みんなコートを着てスコップを持ちながら作業をしていったな。
こうやって見ると辛いとか、面倒くさいとか、そういった人が1人もいなかった。
笑いながら、励ましあいながら、みんなでやる作業は楽しいのかもしれない。
―リーン
インスタのメッセージ、相手はもちろんけんたろーさん。昨日の雪ウサギの感想だった。
『可愛いお礼ありがとうございます。冷凍庫で保存できたらいいのに』
『保存ですか(笑)今まで学校の雪かきをしていました』
『それはご苦労様です。いつか銀世界を見てみたいです』
けんたろーさんは本当に雪と縁のない地域に住んでいるらしい。
銀世界、私の写真で少しでも味わってもらえてるかな?そうだと嬉しい。
「またけんたろー?嬉しそうな顔しちゃって」
「嬉しそうな顔してる?」
「してます。恋の顔してます」
「だからけんたろーさんと恋愛したいとか思わないの。人として素敵で、写真も素敵な人なだけ」
きっぱり言ったのに、梨花はにこにこしてこっちを見ている。
梨花の頭の中を覗き込んだら恋バナしか詰まってなさそう。
「素敵な人にドキドキしないのは人生半分以上損!なんなら雄介にフリーの子紹介させようか」
「うるさいー。さっさと席着きなよ。一時間目は小テスト、ドキドキするよ~」
「テストなんて最悪なドキドキじゃん。恋愛しない高校生なんてこの世に存在しないんだから静は天然記念物、あるいは国宝クラス」
「褒め言葉として受け取ります。あ・り・が・と・う?」
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