女の神獣とシスターさんが出てきます

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 人間は手足をリラックスさせて広げて寝るのを『大の字になって寝る』というけど、ボルケーナは『米の字になって寝る』 「つまみだしてやる! 」  腹がたった僕は、ボルケーナの首の後ろをつかみ、力いっぱい引っぱった!  皮がビローンとのびる。熱くはない。  中の粘土のような肉をにぎりしめ、頭を上げさせた。 「苦しい苦しい! 首がしまる! 」  ようやくボルケーナが口をきいた。 「ネコつまみをしていいのは子ネコだけ! 大人にしちゃダメ! 」  そのままドタンバタンと体をゆするので、僕は手をはなしてしまった。 「ふひ~。居眠りしてて悪かったよ」  首をさすりながら、怪獣は後ろ足でたち上がる。  そして翼を、風船の空気をぬくように小さくした。 「わたしは悩んでいたんだぞ!  ……でも、行き詰ってたんだ。気分転換でいいや。  なにか悩みがあるなら、きいてあげるよ」  ボルケーナは、にこやかにそう言った。  僕は、絶望のあまり天をあおいだ。 「オ~。僕の悩みが気分転換だなんて! 」 「おばさんに任せなさい! 」  ボルケーナはそう言って、ドラム缶のような体の、ありもしない胸を張った。  この人、45億歳の熟女なんだ、と言っていた。  まあ、一人で悩むよりはいいだろう。 「きのう、商店街を歩いていたんだ。  教会の前を通ったとき、オルガンの曲が聞こえた」  海の近くには、港町として発達した商店街がある。  小さな店がほとんどだけど、必要な物はだいたいそろう、いわゆる地方都市だね。  教会は、その中心に、おととしできた。  イギリスの古い教会をイメージしたという、クリーム色の石をつんだ小さな建物。  十字架をのせた円錐形のてっぺんを持つ塔が、付近の建物よりちょっとだけ高い。 「その曲が、『たんたんタヌキ』の曲だったんで、歌ったんだ」 たんたんタヌキの金玉は 風もないのにプ~ラプラ それを見ていた親ダヌキ おなかを抱えて わっはっは~
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