3人が本棚に入れています
本棚に追加
「そしたら、教会から白河が飛び出してきて、なぐられた」
白河ってのは、白河 明依子っていう、僕の同級生。
見習いシスターをしている。
そのときはオルガンの練習をしていたんだろう。
「何で殴られたのか、それがわからないんだ」
僕の告白をボルケーナは、あきれたような、気の毒そうな顔できいていた。
「あのね、高橋君。白河ちゃんが演奏していたのは、たぶん『まもなくかなたの』という讃美歌だよ。
死んだ人は、生きていた時の罪を、最後の審判で神様に裁かれる。
いい人は、神の都に移り住むことができるのよ。
『まもなくかなたの』は、神の都で先に死んだ人との再会を願う歌なの」
説明の後ボルケーナは、一つ深呼吸した。
そして、歌いはじめた。
間もなくかなたの 流れのそばで
楽しく会いましょう また友達と
神さまのそばの きれいな、きれいな河で
みんなであつまる日の ああ、なつかしや
水晶より透き通る 流れのそばで
主を賛美しましょう 御使いたちと
神さまのそばの きれいな、きれいな河で
みんなであつまる日の ああ、なつかしや
銀の様に光る 流れのそばで
御目にかかりましょう 救いの君に
神さまのそばの きれいな、きれいな河で
みんなであつまる日の ああ、なつかしや
良いことをはげみ 流れのそばで
お受けいたしましょう 玉の冠りを
神さまのそばの きれいな、きれいな河で
みんなであつまる日の ああ、なつかしや
最初のコメントを投稿しよう!