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「すげぇ豪華!」
「うん、頑張っちゃった。ずいぶん久しぶりに作ったけど、腕は落ちてないよ。はい、ウェットティッシュ」
と出されたティッシュで素早く両手を拭くと同時に「いただきまーす」と手を出したのは
、黄色い玉子焼きだった。
「えっ!」
驚くハルに構わず、指先でつまんだ玉子焼きをまるまる一個口に入れる。
それは見た目通りの完璧な、甘くておいしい玉子焼きだった。
「甘い!あー、これ俺の大好きな味だぁ」
僕が初めて食べたハルの玉子焼きの感想を言うのを、何も言わず口を開けて見ているハル。
「もう一個食べたい」
二個目もばくっと食べて、「んーうまーい」と大満足の笑顔になり
「こんなに美味い玉子焼きを今まで食べなかった俺は馬鹿だな」
とハルの顔を見てつぶやく僕に
「…びっくりしたぁ」
やっと呪縛から解き放たれたようにハルは言った。
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