最終章 七里ヶ浜

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そのナツが、ある時ハルのスマホを手に持って、こんなことを言ってきた。 「ねぇあおくん、お姉ちゃんのスマホの画像見たことある?」 「ないよ。見せてもらったことはあるけど」 「だよねー。ちょっと見てみない?」 「だめだよ。第一パスワードかかってるだろ」 「大丈夫、大丈夫。そんなの簡単だよ。お姉ちゃんの暗証番号は…0617。ほら開いた」 「え。その番号って」 「うん、あおくんの誕生日だね。お姉ちゃんは最初の携帯から全部これだから」 「まじかー」 おい、ナツに全部ばれてるぞー ハルにそう言ってやりたかった。 「見て見て、しかも待ち受けがこれだよ」 見せられた待ち受け画面は、四月に桜の下でハルと写した僕とのツーショットだった。 なんかもう色々恥ずかしすぎる。 「お姉ちゃん、どんだけなの」 とナツもドン引きだ。
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