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「お姉ちゃん、大丈夫だよね?意識戻るよね?せっかくあおくんが助けてくれたのに。もお何やってんのかな」
ナツは並んで座っていたベンチから立ち上がると、ハルの枕元で顔を覗き込み、頬を撫でながら言った。
「お姉ちゃん、ここにあおくんがいるんだよ。早く目を覚ましてよ」
なんだか僕はたまらない気持ちになって、ナツに言った。
「ナツ、ハルは絶対に目を覚ますよ。ハルが起きたら、俺今度こそ食べるから。ハルの玉子焼き」
「…うん!」
それからも病室で顔を合わせる度に、二人でハルの話をした。
子供の頃の事や僕が知らなかったことも色々教えられて、ずっと幼い子供だと思っていたナツの成長に驚かされたのだった。
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