最終章 七里ヶ浜

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「あと、おんめ様にも行った」 「えっ!おんめ様は安産祈願のお寺じゃん」 「知ってる。子供の頃さ、ハルのお母さんが言ってたんだよ。ハルが生まれる前におんめ様にお参りして、性別占いしたんだって」 「その話、知ってるー。封筒に入ってる紙の色で性別を占うやつでしょ?確か白だと男の子で、赤だと女の子」 「それ。聞いたらうちの母さんもやっててさ。俺の時には白い兜が出て男の子だ!ってなって男の子の名前を考えたって。だけど」 「そうだよ!私の時も白の兜だったんだよ。だけどお母さんはどうしても女の子が欲しくて、でも男の子かもしれないからどっちでもいいようにハルヒって名前にしたって話でしょ?」 「うん、それそれ。八幡様に行った帰りにそのスバラシイエピソードを思い出してさ。これは絶対御利益あると思って」 「何でよ」 「だってさ、ハルが生まれる前に安産祈願したお寺なんだよ。生まれた後もきっと責任を持ってハルを守ってくれてるよ」 「なるほどね。そうなると私は相当いろんな方面から守られていたんだね」 「そうだよ。うちの仏壇にも毎日手を合わせてくれたし、いっぱいお参りしといて良かったな。今度一緒にお礼参りに行こう」 「うん。絶対行こう」
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