残した留守電を貴方に

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残した留守電を貴方に

―今日は、特別な日だ。 テレビを見ていた僕はおもむろに立ち上がり、棚に飾るように置いていたヘッドホンと音楽プレーヤーを手に取った。 久しく触ったので、少し埃を被っている。 それを手で払ってから、接続部を音楽プレーヤーに差し込んだ。 ヘッドホンと数秒間見つめ合う。 「ごめん…、僕…。」 それから、ゆっくりとヘッドホンを付けた。 音楽プレーヤーの再生ボタンを押せばヘッドホンから色んな記憶が流れ込んでくるような感覚に陥る。 それに抗う事なく、僕は静かに目を閉じた。
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