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部下
「平野君さぁ。来年から、ストレッチだけじゃなく、航空一般の方も一緒に見て欲しいんだ。」
柴田課長からそう打診を受けたのは、今から5年前の事だ。
俺が勤務している会社はF重工の一次外注先として、航空機の部品製造から組立までを行っていたのだが、俺が担当していた部署は通称【ストレッチ部隊】。
ストレッチフォーミュラーマシンと言う機械を使う部署で、民需の航空機部品製造を主に請け負っていた。
それに対し【航空一般】とは、民需から防衛庁の仕事まで手広く手掛けている部署だ。
扱う部品はストレッチ部品と違い小部品が多いのだが、ともかく数が多く、完全管理に手こずっていた部署だった。
当然、ストレッチ部隊と航空一般は、部品1係と部品2係として別の組織だったんだが、部品2係の東係長が定年が近い為、これから東さんには後進の指導に専念して欲しいらしく、そこで来期から俺にまとめて見ろと言っているようだった。
正直、それまでの航空一般の仕事内容と東さんのデタラメな管理を見ていただけに断りたかったのだが、課長命令に逆らう訳にもいかず、渋々組織編成を了承した。
ところが、課長からの話しは続きがあった。
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