2章

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2章

話すことのないまま1年が過ぎてしまった。君は年上の男達にチヤホヤされ君への嫉妬だけが募る。だが決して僕が君を好きだという事は誰にもバレていない。といっても僕には麻里という彼女はいるのだが彼女への思いは薄れ熟年夫婦の熟年離婚とでも言えよう関係だ。そもそも恋人が居ながら異性を好きになること事態世間的には許せない行為だとしても好きな衝動は止められない。あれから君と過ごす妄想が止まらない。君と付き合えたらどれだけ人生が変わるかと思いながらも麻里と手を繋ぎデートをする日常に慣れてしまっている。僕が実際に手を繋ぎたい相手はユウナだと知らない麻里には申し訳ないが思いは変えられないし変わらない。決してこれは二股ではないユウナとは実際には付き合っても居ないしキスさえしてないそれ以上の事も。しているのは脳裏だけであるから。脳裏では麻里を君だと思いながら過ごすが虚しさだけ募る。1年が経ってしまっているため事は変化しているかもしれない。男ができたとか男とイチャついてなどの情報は得ていないが実際の所はまだわからない。君が誰かと手を繋ぎキスをしそれ以上の事を誰かとすることを考えれば腹が立って仕方がない。執着心深い男になってしまったのだ。 5月に入り関連会社の振興会のソフトバレーボール大会があり人数集めの為君が社員に聞き周り是非を問うが実際集まっているのは2人だけで則本と君だけだった。君は僕のところに来た。これが君と初めての会話となる。 「倉持さん5月にバレーボール大会があるのですが来れますか?」君の声が脳裏で谺する。君から聞かれる前に則本から2人だけだと知っていた為、例え君が聞いて来なくても参加するつもりだった。二つ返事で参加する旨を伝えた。君が居るから尚更。
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