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1 チョコレートマフィン
ミスティ村は魔王の城に最も近い人間の村だった。
場所が場所だけに、曰く付きの人間が住んでいる。
種類としては、犯罪系と混血系が多い。
犯罪系は無実の人だったり、悪いことをしても改心した人。
混血系は人間と魔族の混血。最近では混血も増えてきていて、それを受け入れる地域も徐々に増えてきている。とはいえ、やはり差別はある。
私が生まれた十五年前は差別が一番激しい頃で、私を生んだ人は、生まれたばかりの私を宿屋に置いて行ったらしい。とても綺麗な人だったと言われても、良い感情は持てない。
宿屋の一家は混血の私を引き取ったために、その村にいられなくなり、みんなでミスティ村に移住した。それが、今の私の家族である。
ミスティ村にはそれまで宿屋がなかったために、村人からも旅人からも喜ばれていると、両親も双子の姉たちも喜んでいる。こんな素敵な場所に来られたのは私のおかげだと言ってくれる。
素敵な家族だとは思っている。ただ、過剰に私に干渉してくるところは、うれしい反面、ちょっと……。でも、家族に関しては、文句はあまりない。
滅多にあんまりない。
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