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おじさんは「いつ来てもいい」と、魔王の城のカギをくれたらしいけど、「カギで入ってもモリーに勝てなかったら親父のとこまでたどり着けないんだよ」と、意地を張って使わない。
中にはモンスターがうようよいるわけだから、モリーに鍛えてもらった方が危険が減るとは思う。でも、戦う必要はあまりない気がする。おじさんは魔王の側近らしい。
なんとなく、モリ―とリアムは師匠と弟子のように思えた。話を聞いただけだけど、モリーはリアムを鍛えるのが楽しんでいるように思えたし、リアムも目をキラキラさせて挑んでいる。
リアム、ひとりでどこに行ってるんだろ。
ウチにお客さんがいるときは、リアムはウチに寄り付かない。
リアムは村に来た冒険者から戦いを挑まれることもある。
リアムは私と違って、外見は魔族だった。
人型はしているけど銀の髪に赤い瞳で、エルフのような姿をしていた。
それで目つきが悪いから、冒険者たちに目の敵にされる。
マークみたいにニコニコしてたらそんなことにならないはずなのに。
ただ、エルフは高価な宝石を持っていることがあって、エルフと勘違いされて攻撃されることもある。こわいよね、ならず者の冒険者とかって。
リアムは魔物も人間も、どっちにも敵対しようとしていない。どちらからも攻撃されるけど、ても、それにぐっと耐える。
口下手なんだよ。
リアムは……。
あの顔で村の外を歩いていたら、むしろ危険だと思うんだけど……。
でも、リアムは冒険者がくると、村に寄り付かなくなる。
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