2 魔力を回復させる木の実

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「シェリル」  一番上の姉、ピンクのリボンのミランダお姉ちゃんが両手に何かを持って、受付からやってきた。  怖いくらいに上機嫌だった。 「何?」  手を止めて聞く。 「じゃーん」  細い綺麗な声。  いつもニコニコなミランダお姉ちゃんが、いつもの倍以上の笑顔で両手を私の前に出す。1インチくらいの木の実を5つほど持っていた。 「何? これ」  丸くてしおれた感じ。茶色くて独特な匂いがした。 「魔力を回復する木の実よ」  ニコニコとお姉ちゃんは言う。 「……そうなんだ」  あまりおいしそうではない木の実を見てそう言うと、お姉ちゃんはグイグイと私にそれを押し付けてくる。 「なに?」  何が言いたいのかわからない。 「トッピング、してみたら?」  首を傾げ、おっとりと言う。 「……これに?」  練っていた生地を見て言うと、お姉ちゃんは上品にうなずく。そして、そそくさとキッチンの壁にある棚まで行き、そこからコーヒーミルを持ってきて、私の前に置く。  これを使って砕けってことだろう。コーヒー豆以外に使ったら、ブレンダお姉ちゃんが怒るんじゃないかな? 「美味しいの?」 「食べたことないから、わからないわ」  ニコニコとミランダお姉ちゃんは言う。 「味は二の次なの?」 「魔力は回復するんですって」  気持ち悪いくらい、ニコニコしてる……。 「……ありがとう」  よくわからなかったけど、受け取った。
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