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干からびた感じで、あまりおいしそうに見えなかった。でも、ミランダお姉ちゃんが無意味な物を渡すことは少ないような気がしたから、とりあえずコーヒーミルで挽いてみる。
茶色い細かい粒になる。
毒物ではないような気はした。
「これも入れてみない? 健康にいいんですって」
コーヒーミルを使っていると、ミランダお姉ちゃんは薬草や銀杏、クルミのような物も持ってきてくれた。
ミランダお姉ちゃんはおっとりとしていても斧を振り回す戦士だった。おしとやかに見えるけど、メイド服を着てニコニコして大きい斧を持っていて、それでモンスターを倒す。
そして、薬草類やキノコ類に詳しい。
誰から教わったのかわからないけれど、いろいろなところに生えている草木の活用方法を良く知っている。
お姉ちゃんは食べられない物を持ってこないとは思う。
それらもコーヒーミルに入れて、砕いてみた。なんだか健康に良さそうな物のような気がしてきた。でも、干からびたような感じの匂い……。
健康には良さそう。
健康に良くても、美味しいとは限らない。
紅茶のマフィンのような感じになるのだろうか? と思いつつ、生地に混ぜてみる。チョコの色になっていた生地に小さな粒が入り、チョコチップのようになった。
なんか、見かけだけは美味しそう。
甘いチョコチップが入った感じを想像してこねた。
ただ、この時、すぐに気づくべきだった。
どうしてブレンダお姉ちゃんが食事係で、ミランダお姉ちゃんが受付係なのかということを。
ミランダお姉ちゃんに逆らうのもめんどうくさかったし、まず無理なので、そういうことは考えず、ミランダお姉ちゃんが持ってきてくれたいろいろな実が入った生地を型に流し込み、ブレンダお姉ちゃんがいつもやっているようにオーブンに入れた。
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