幼なじみというだけで、べつに好きなわけではない

３ 食べれる物で作ったはずの茶色い物体

　リアムは私の１個上で、短い銀髪に赤い瞳。人間というよりもエルフに近い感じだけど、リアムは人間として過ごしてきた。でも、この外見だと、ミスティ村以外の人間の村に住むのは難しい。

　エルフは人間を嫌っている種族で、好戦的だったりもするらしい。
　美しくて能力が高くて、敵とみなされるとけっこう怖いそうだ。

　それに、エルフが持っていると言われている宝石は珍しくて高く売れるらしい。
　それを狙う人間が後を絶たないからエルフが人間を嫌っているとも聞く。

　でもリアムは、外見はお高く留まっている感じだけど、意外と話しやすかったりする。
　生まれた時から人間として人間の村で暮らしているのだから、当たり前なのかもしれない。

　村人も私もそれを当たり前だと思ってるからリアムのことを人間だと思っている。

　けれど、村を訪れる冒険者は、リアムのことをエルフだと思ってしまう。
　冒険者に戦いを挑まれることもしばしば。

　冒険者をお客さんとして迎えたい村の人たちに遠慮して、リアムはお客さんがいるときは村にいることを避ける。

　小さい頃はそんなことはなかったけれど、大人と同じ大きさになった最近は、ひとりでいることが多くなった。しかもむやみやたらにムッとしてるし。

　昔はよく笑うヤツだったのに。