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ミスティ村は魔王の城を生活の糧にしていると言っても過言ではない。
魔王の城を攻略に来る冒険者を相手に商売して生計を立てているからだ。
だからと言って魔族と協力関係があるわけではない。そもそもそんなものがあってはならない。人間と魔族は相いれない存在なのだ。
それに、向こうからすれば魔王の城を攻略にくる冒険者は迷惑なだけで、それをもたらすウチの村も迷惑である。
ただ、無関係というわけでもない。
魔族と人間が結婚してミスティ村に住む場合もある。
そこは見事にスルーされていた。
村の中に魔族がいても見て見ぬ振り。危害を加えてこないなら、いてもいなくても構わない。
―― 隣近所の素性は詳しく知らなくていい。
これがウチの村のルールだった。
魔王の城の近くだけあって、人間が住むには過酷な環境なので、魔族だ人間だと言っている場合ではない。
ミスティ村に住む者は、みなで力を合わせて生きて行こう。
無言のうちの持ちつ持たれつだった。
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