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リアムは父親が魔王の城の上級魔族だった。
おじさんもおばさんも仲が良くて、年の離れたリアムの弟のマークもいて、家族4人で楽しそうに暮らしていた。ウチとも家族ぐるみの付き合いをしていた。
でも今はおじさんが魔王の城に単身赴任になって、おばさんはマークを連れて実家に帰って、リアムはミスティ村にひとりで残っていた。
4年くらい前。急にそうなって、詳しい理由はわからない。ウチの村はそういうことにこだわらないし、たぶんだけど、大騒ぎするようなこともなかったんだと思う。
「またね。シェリルちゃん」
と、とても素敵な笑顔でおばさんは村を出て行った。
近所に買い物にでも行くかのように、明日また会えるかのように。マークもニコニコ笑って紅葉のような手を振っていた。
知らなくても、リアムが私の幼なじみであることは変わらないから。
そしてリアムは魔王の城の攻略を始めた。でも魔王を倒すためではない。魔王の城に向かう理由が、父親に会うためなのはリアムくらいだろう。
ただ、モリーが強すぎて城の中に入れない。
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