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私の兄は非常に女の人に人気があるようだ。少し細すぎて頼りがない感じもするけど、容姿は端麗でノリも良く優しい。困っている人がいたら見逃さないし、必ず手を差し伸べる。
というのが、兄の友人からの兄の評価だった。
だけど、実の妹の私に対してはそんなに優しくしてくれたことはない。別に意地悪をされたというわけではないけど、なんとなく距離を置れている気もする。
お話をする時はお互いにニコニコ楽しくしているけど、それだけ。可もなく不可もない兄妹関係だと思う。
少し論点がズレたけど、私冒頭に「兄はモテる」と言ったことの根拠。
彼は毎週何度か、両親のいない時間帯を狙って女の人を自分の部屋に連れ込んでいる。それは不規則なローテーションで女の人が変わっていく。
彼女、というわけではないらしい。そんなことくらい、見ていたら私でもわかる。
そして兄がそんな女の人達を連れて何をしているのか、嫌でもわかってしまう。すぐ隣の部屋だから。
「ん……ぁっ……!」
「しー。妹が隣にいるから、ね?」
ほら、今も。
薄い壁を隔てて、女の媚びるような甘い声とベッドのスプリングが軋む音。よく聞き慣れた音声に、私はため息をついて雑誌をめくる手を止めた。
嫌でも耳に入るいやらしい声に身体は熱く疼いて、私は少しだけ息を荒らげてワンピースタイプの寝間着のスカートを捲り上げて、そっと下着を取り外した。
「もう濡れてんね、期待してた?」
私じゃない女の人に向けられた、兄の声で再生される卑猥なセリフに興奮しているだなんで絶対に知られたくない。
そう思いながらも、熱く濡れて熟れたそこに手を伸ばして、指先を這わせる。服越しに、上半身についたささやかな二つの膨らみの突起をなぞれば、ぞわぞわと背筋が粟立った。
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