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僕はスイッチを切り通信を終えると、稼働状態にセットアップした24式機動装甲体を操り、意外と頑丈な作りだった屋外階段を一段一段降りていく。
≪今日も淡々としてるけど、いい声の女の子だよね≫
「うん。開隊以来会った事ないけど、百合子嬢は声も綺麗だし美人だったよね」
さっき隊内通信で会話した、十代後半の小隊通信士について仲良く二人で褒め合った。
「うん、機体の調子は悪くない」
全高3・44m。重量10・5tの、個人操作を基本とした小さな軍事用量産機・24式軽装甲機動体は、路上に出た機体の前方で横転しているセダンタイプの乗用車を、ひょいっとアームで押しのけ進行スペースを確保すると、脚部前部に装着されているスケートローダーを下肢下に動かし靴のように履かせ、踵の歯車に直結して片側四輪のローダーを一斉に作動させた。
途端、機動体は路面の上を猛スピードで加速していき、操縦席の中の僕をシートに強烈に押し付け、思わず機体はバランスを失いかける。
「ふーっ!これこれ、この加速だよね!装甲は重機関銃に耐えられる程度しかないけどさ、このスピード感がいいんだよ!」
≪でもでも、これって昔流行ったローラーブレードのパクリらしいよ?≫
「いいんだよなんだって、すっごく早いんだから♪」
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