序章 いつも僕は二人だった。

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その為、特にロボット技術に於いては、趣味とも変態の領域とも呼べる最先端の発展を遂げていた日本によって、単一乾電池程度の極少電力下でも高出力を発揮する人工筋肉の早期開発の成功と、これらを制御する各種の機材が開発され、これらを組み合わせた機体が驚異的な速さで量産化に漕ぎ着けたことが要因であっただろう。 結果、日本政府管轄下においては一人当たりの作業量は劇的に拡大、また軍事分野においても、特に陸上と海中での飛躍的な能率向上に成功したのだ。 ただ問題は、それでも急速な人口に減少に歯止めが掛かってはいない。という点にあるのだけど。。 「でもまあ、僕は軍人になったから親無しでも人口激減でも、取りあえずは食っていけるんだけどさ」 ≪だね♪あたしたちはそんなこと気にせずに前向きに考えようよ。前向きにね♪≫ 「だね♪」  僕とリンネは、仮想コンソール越しに愉快にケラケラ笑い合う。 「でもさ、本当にいるのかな」 ≪なにが?≫ 「宇宙人がさ」 ≪例の黒い月を作ったって噂の?≫ 「そう。いるなら会って…」 ≪思いっきり戦いたいんでしょ≫ 「もちろん♪」  僕の気持ちを理解するリンネは、会えるといいね。その時はあたしを連れてってね♪て、微笑みながら言ってくれたんだ。
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