出会い。

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その真っ黒な機体は、此方にスコープをキューンと云う駆動音を発し向けながら、突然の事態に立ちすくんだ敵兵を躊躇なく掴み踏み、ひねり潰していく。 バッバッバッバッ…! 輸送機であるV22アスプリーが二機編隊で現れ、照明弾を左右に幾つも放ちながら、空挺団所属の機体と人員を機内から吐き出している。 空は、眩いばかりの光に満ち溢れ、そのなかを死神の群れがゆっくりと大地に降りたち、地上の、あらゆる生きとし生けるものを冥府へと誘っていく。 「大丈夫か、2曹」  1曹の階級章を付けたおっさんの空挺隊員が声を掛けてきた。 「…生きてますよ」 「そうか、よく生き残ったな。立てるか」  1曹のおっさんと2曹のおっさんが二人、肩を貸そうと僕の上体を起こそうとする。 「…そ、それよりも、彼女を…助けてくれませんか」 「彼女、とは?」  1曹のおっさんが首を傾げる。 「そこの盛り上がった…土の上に、要救助者が…いる…筈です」 「わかった」  2曹のおっさんが銃を構え、機敏な動作で彼女が横たわっていた辺りに近付き様子を探る。 「ホントにここに?」 「そう…です」  1曹のおっさんに抱えられ何とか右足で立ち上がった僕は、全身から湧き上がって来た痛みに耐えながら応える。 「村上士長と木村3曹、こっちに来てくれないか」     
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